虚空蔵菩薩の神秘
虚空蔵菩薩
長崎県の諫早市に天祐寺というお寺があります。そこの住職をしておられた須田道輝和尚の書かれた「虚空の神力」の本の中に、虚空菩薩の世界が述べられています。
そこに今後の地球の未来像が具体的なイメージとして分かるような描写してあり、今読み返してびっくりしました。
虚空菩薩経にはスピリチュアルなテーマとして取り上げられる宇宙人とか未来世界が、実に克明に書いてありどなたがこのような本を書かれたのか、関心を惹かれる本です。
一切香の世界
虚空蔵経によれば,この地球から西方に向かって八十劫河沙(ガンジス川の砂の数ほどのはるか遠い距離)を過ぎたあたりにある一切香(という星)に、知性の高い生き物が住んでいました。
その一切香に縁起の法を説く仏が出現されて、その縁起の法は仏法の真理と同じであると書かれています。
一切香の世界では霊的な生命体は仙人は霞を食べて生きていると同様に、いい香りを栄養源として生きています。
香は霊体の先祖達の食べ物になっていますので、仏前で香をたくのです。香を供養するのは又供養する人の心身を清めるためでもあります。
須田道輝和尚は虚空蔵の世界は一切香と名付けられた天体が遙か宇宙のかなたにあり,単なる空想上のものではないと述べられています。
神秘的体験
和尚が天祐寺に来られた昭和42年当時は山門、本堂は立派でしたが、境内は荒れ果てており雑草が生い茂る荒れるに任せたお寺でした。
須田和尚はとんでもないお寺に来てしまったと後悔しきりでした。いろいろお寺の復興について尽力を尽くされたのですが、お金がないつらさをしみじみ味われたということです。
そのようなある日、須田和尚さんが晩課(夜のお勤め)のお経を読んでおられたら、忽然として須弥壇(ご本尊を祭ってあるところ)の上に透き通るような神秘な光の線でえがかれた菩薩像が現れました。
しばらくして消えてしまいましたが、左手に剣を持ち右手に宝珠を持った威厳のある姿を、約一分近く見ることができました。
その後仏教図鑑を調べて剣と宝珠をもっておられる菩薩様は、文殊菩薩か虚空蔵菩薩に特定ができましたがどちらか決めかねていました。
それからしばらくしてある夜夢の中で、「虚空蔵を探せ」とはっきりした声の夢を見ました。目を覚ましても、その声は耳の底に重々しく残っていました。
そんなある日のことです。開山堂を掃除中に戸袋の中から、偶然に明代の古い大蔵経の一部を発見したのです。その中に虚空蔵菩薩経の数編が現れました。
このような事があって、虚空蔵菩薩の仏師に依頼して菩薩像をおまつりするようになりました。この菩薩像をおまつりして以来須田和尚以外にも信仰する人に常識を超える出来事が、しばしば起きるようになったということです。
虚空の神秘
そしてこの世はただ不可思議としか言いようのない世界で、そのような宇宙の神秘にただ有難く生かされていることを、感謝するだけだと須田和尚は述べておられます。
虚空が忽然として凝縮するとそこに現象が現れ虚空がもとに戻ると現象は消えて、もとの何一つない無限の虚空の広がりに戻ります。
こうした虚空の働きは宇宙の神秘としか言いようがなく、人知の及ぶ次元ではありません。虚空には相対的対立もなければ制限もありません。
合理的と思っているものは単に人間の知性に合うだけで、このお経は人間の知性を超えた次元で説いているのではないか。
人の知性だけでは分からない非合理世界を覚醒させるために、菩薩は出現されたのではないかと説かれています。
経典に説かれているように高い山から落ちても菩薩の念力によって、命を奪われないと強く信じてそれを受領する心も大切ではないかと思われます。
同様の話がありますので、ブログ 必ず治る② 筏仙人の話をもう一度参考にしてください。
今のこの大激動期の生き方を予見し、どう生きるべきかを35年前に明示された須田道輝和尚の慧眼に改めて敬服させられます。